令和6~7年度 共同研究プロジェクト 研究報告②

地域は、誰か一人ではつくれない。
住民、企業、行政、大学――多様な主体が関わる「地域共創」の現場から、
地域活動を続けていくための条件を探る川﨑竜太准教授の研究。
「地域共創を基盤とした地域形成 ―地域実践における「持続性」の考察―」
川﨑 竜太 福祉社会学部 准教授
地域を「共につくる」地域共創という考え方
本研究は、地域住民、企業、行政など多様な主体が協働して地域課題の解決を図る「地域共創」に着目し、地域活動を継続させるための条件や仕組みを明らかにすることを目的としている。
地域の魅力創出、雇用の創出、企業防災の三つを主なテーマとし、研究会の開催や地域イベントの企画運営、地域資源の調査などを実施した。
与論島、喜入町、企業連携――広がる地域実践の現場
特に人口減少地域の雇用確保の手法として注目される「マルチワーク(特定地域づくり事業)」について、与論島でのインタビュー調査を行い、複数の仕事を組み合わせる働き方が地域の人材定着に与える可能性を検討した。また、鹿児島市喜入町の地域交流拠点「旧麓交流館 陽だまり」をフィールドとして、学生とともに地域調査やイベント支援、SNSによる情報発信などに取り組んでいる。若い世代による情報発信を通じて、地域外への認知が徐々に広がりつつあることが確認された。さらに、商業施設オプシアミスミと連携した防災イベントの企画など、企業と大学が協働した地域防災の取り組みも紹介された。
地域活動を持続させるための条件とは
持続可能な地域活動の条件として、地域の多様な主体を結びつけるキーパーソンの存在、地域内外のネットワーク形成、そして地域課題を分析するソーシャルワークのアセスメントの重要性が指摘された。
「人に頼る活動」から「続く仕組み」へ
質疑応答では、地域活動の持続性に関する議論が行われ、特定の人物の熱意に依存した活動は、その人物がいなくなると停滞する可能性があるという課題が指摘された。これに対し川崎准教授は、行政では人事異動を前提とした引き継ぎ体制が必要であり、民間の地域活動では中心人物の周囲に仲間を増やすことが継続の鍵になると説明した。また、喜入町の事例では活動メンバーの高齢化が課題であり、後継者育成の重要性も指摘された。今後は地域共創とソーシャルワークの視点を基盤に、地域活動の持続性を高めるための実践研究をさらに進めていく予定である。


