令和6~7年度 共同研究プロジェクト 研究報告④

学校は、どうすれば変われるのか。
授業と校内研修の改革を軸に、学校の内側から変化を生み出す実践が各地で続けられている。
鹿児島・熊本・沖縄の学校現場とともに歩んできたアクションリサーチから、学校改革を支える「関係づくり」のプロセスを探る、内山仁准教授の研究。
「授業と校内研修の改革を中軸とした学校改革―鹿児島・熊本・沖縄におけるアクションリサーチ―」
内山 仁 国際文化学部 准教授
学校現場に入って進める研究
本報告では、鹿児島・熊本・沖縄の学校現場に入りながら進めてきたアクションリサーチの成果について、具体的な学校改革の事例をもとに報告がなされた。内山准教授は、行政、地域、学校、福祉など多様な分野で活動し、「学びの共同体」のスーパーバイザーとして研究会の運営にも携わるなど、学校現場と継続的に関わりながら実践的研究を行っている。
「変わらない」と言われてきた地域でも、少しずつ確実に変わる
九州地域は学校改革が進みにくいとされる一方、近年は変化の兆しも見られることが指摘され、改革の核として「学び合う関係」と「聞き合う関係」の構築が重要であると述べられた。熊本県天草市立牛深中学校では、改革開始後、生徒の学びの姿や学校の雰囲気が大きく変化し、その後校長が異動した後も停滞期を経ながら改革が継続されていることが紹介された。鹿児島県内でも、伊敷台中学校、大崎中学校、曽於市の学校などにおいて、授業改革や校内研修の充実を軸とした取組が継続的に進められ、地域全体へと広がりつつあることが報告された。さらに、谷山小学校や私立上浦学園、沖縄県伊江村・国頭村での取組など、近年の事例についても紹介があった。
学校改革カギは制度ではなく「関係」にある
質疑応答では、校長の異動によって改革が中断してしまう問題への対応について質問があり、学校単位ではなく研究会等のネットワークを通じて実践を継続していくことが重要であるとの見解が示された。また、改革の柱となる考え方についての質問に対しては、「学び合う関係」と「聞き合う関係」を学校の中にいかに構築するかが改革の核心であるとの説明があった。本報告は、学校改革を人間関係の再構築の問題として捉え、長期的に学校現場と関わりながら進めるアクションリサーチの重要性を示すものであった。


