「関わる人」をどう増やし、つなぎ続けるか― 関係人口とデジタル技術がひらく地域マネジメント

令和8年度 共同研究プロジェクト 研究計画

人口減少が進む中で、地域の担い手不足やつながりの希薄化が深刻な課題となっています。
こうした状況に対して注目されているのが、移住者でも観光客でもない、地域と多様に関わる「関係人口」の存在です。
地域外の人々がどのように地域に関わり、どのように関係を継続していくのか。

「関係人口創出に向けた福祉共創プラットフォームの構築と評価

川﨑 竜太 福祉社会学部 教授

― デジタル技術は「関わり方」を変えるか

近年では、オンラインイベントやSNS、デジタルコンテンツなどを通じて、地域との接点を持つ機会が広がっています。
地理的な制約を超えた参加が可能になることで、新たな関係人口の創出が期待されています。

一方で、参加機会の拡大は必ずしも継続的な関係性の構築につながるとは限りません。
関わりが一過性にとどまってしまうケースも少なくないのが現状です。

重要なのは、「参加のきっかけ」をつくることに加え、いかにして継続的な関与へとつなげるかという点です。

―福祉分野から広がる新たな地域参加モデル

本研究は、鹿児島国際大学附置地域総合研究所の全体テーマ「デジタル技術時代と地域社会」のもと、
個別研究「関係人口拡大に向けた地域マネジメントの実践」として位置づけられています。

特に着目しているのが、福祉分野における人材不足という喫緊の課題です。
従来の担い手確保だけでは限界がある中、デジタル技術を活用した新たな関係人口の創出が求められています。

その具体的な取り組みとして注目されているのが、株式会社プラスロボが展開する「スケッター事業」です。これは、福祉施設と地域住民をデジタルでつなぐことで、空き時間を活用した柔軟な関わり方を可能にする仕組みです。

2026年3月には鹿児島市と同社が連携協定を締結し、6月から県内での事業開始が予定されています。

本研究では、この取り組みと連携しながら、
多様な主体が緩やかに関わることのできる「福祉共創プラットフォーム」の構築を目指しています。

2026年6月には地域互助プラットフォームをテーマとした社会福祉公開講座の開催も予定されています。
全国で展開されている実践事例の紹介とともに、鹿児島における新たな地域参加のあり方について議論を深める機会となる見込みです。

→ 公開講座の詳細は[こちら]

― 持続可能な地域貢献のかたちへ

関係人口の創出は、単なる人数の増加ではなく、
地域との関係の質をいかに高めるかが問われます。

デジタル技術を媒介としながら、
「関わる人」を増やし、「関わり続ける人」を育てる仕組みをいかに設計するか。

その問いに対する実証的なアプローチとして、本研究と公開講座の取り組みは進められています。
それは、地域社会の持続的発展を支える新たな基盤となる可能性を持っています。

研究者コメント

福祉分野における人材不足に対応するためには、従来の関係者(従事者)が福祉分野に従事できる環境を整えることに加え、新たな関係者(従事者)の獲得に努めることが急務となっています。

本研究は、地域住民、福祉関係機関、行政、企業等が一体となって、多様な主体が福祉と関わる「福祉共創プラットフォーム」の構築を目指しています。

川﨑 竜太

川﨑 竜太  KAWASAKI Ryuta

福祉社会学部 准教授

専門分野・研究キーワード

社会福祉学・ソーシャルデザイン・福祉のまちづくり・防災

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