研究者インタビュー[山川 仁子]

山川 仁子

プロフィール

氏名: 山川 仁子
所属・職名:鹿児島国際大学 国際文化学部 / 教授
出身地: 鹿児島県
趣味: スキー、蒸留所巡り
最近ハマっていること:鹿児島の蒸留所・醸造所をたずねること
座右の銘:「一期一会」
ひとこと:人や言葉との出会いを大切にしながら、研究と教育に取り組んでいます。

専門分野・研究キーワード

音響音声学・言語心理学・日本語教育

音声を物理的に分析する音響音声学と、人がことばをどのように聞き、理解するかを扱う言語心理学の立場から、日本語音声の特徴を研究しています。また、その知見を外国人住民への日本語教育や地域日本語支援に活かすことを目指しています。

地総研での個人研究テーマ

「地域日本語支援におけるデジタル技術活用の実践的検討」

鹿児島県内で暮らす外国人住民への日本語支援について、翻訳アプリ、オンライン教材、生成AIなどのデジタル技術をどのように活用できるかを検討しています。遠隔地などで十分な支援を受けにくい人だけでなく、外国人を受け入れる地域や団体、職場の支援にもつながる仕組みを考えています。

これまでの研究内容

外国人にとって聞き取りやすい日本語とは何かを研究しています。防災スピーカーから流れる音声は、日本語母語話者にとっても聞き取りにくいことがあります。まして、外国語として日本語を聞く人にとっては、さらに理解が難しくなります。

そこで、どのような単語や表現を用いれば多くの人に情報が伝わるのか、また、暴風雨や反響などの影響を受けても聞き取りやすい音声とはどのようなものかを、音響音声学と心理言語学の観点から明らかにしようとしています。

その他の研究成果・活動

地域における日本語支援や「やさしい日本語」の普及にも取り組んでいます。外国人住民への支援に加え、受け入れ側である自治体、企業、学校、地域団体などが抱える課題にも目を向けています。

さらに、ICTや生成AIを活用することで、支援する人の負担を過度に増やすことなく、継続可能な日本語支援のあり方を模索しています。

研究に興味を持ったきっかけ

大学時代に音声学を学び、同じことばであっても、発音や話す速さ、さらには聞き手の母語によって聞こえ方が異なることに興味を持ったのがきっかけです。

その後、海外で日本語を学ぶ人や、日本で暮らす外国人との交流を通して、研究で得られた知見を実際の日本語教育や生活支援の場で活かしたいと考えるようになりました。

地域・フィールドワークでの印象的な出来事

鹿児島県内の外国人住民や、日本語学習を支援する方々との関わりを通して、地域によって支援の機会や環境に大きな差があることを実感しています。

特に、支援を必要としていても、距離や時間の制約から教室に通えない人がいる一方で、受け入れ団体や職場も、どのように日本語学習を支援すればよいか分からず悩んでいることがあります。

こうした現状に触れる中で、支援を受ける側だけでなく、支援する側の声にも丁寧に耳を傾けることが、地域に根差した持続可能な支援の仕組みづくりには不可欠だと感じています。

今後の展望

鹿児島に暮らす外国人と日本人が、ともに安心して楽しく暮らせる地域づくりに貢献したいと考えています。そのために、ICTや生成AIを活用し、地域や時間の制約を受けにくい日本語支援の仕組みづくりを進めていきたいと思います。

また、一部の支援者に負担が集中する「支援疲れ」を防ぎ、支援する人も支援を受ける人も無理なく参加できる、持続可能な共生社会のあり方について研究と実践の両面から検討していきます。

高校生・大学生、若手研究者へのアドバイス

研究の出発点は、日常の中で感じる小さな疑問です。「なぜだろう」「少し不便だ」と思ったことをそのままにせず、まずは調べたり、人に話を聞いたりしてみてください。

すぐに答えが見つからなくても、考え続けることや、異なる分野の人と出会うことが、新たな発見や研究につながります。

読者へのメッセージ

外国人への日本語支援というと、専門的な知識を持つ人だけが行うものと思われるかもしれません。しかし、分かりやすいことばで話すことや、相手が理解できたかを確認すること、必要な情報を丁寧に伝えることも、大切な支援の一つです。

外国人も日本人も暮らしやすい地域とはどのようなものか、ぜひ一緒に考えていただければと思います。

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